特集記事

【物件探しの基本】物件探しに欠かせない「商圏分析」とは?

【物件探しの基本】物件探しに欠かせない「商圏分析」とは?

開業を決意してからコンセプトを設計し事業計画を立てたら、お次は物件探し。
いざ物件をネット検索しようとする際に、当たり前のように名の知れたエリアや利用したことのある主要駅で条件を絞っていませんか?

しかし、出店場所を選ぶにあたって、「何度か行ったことがある」「有名で栄えている街だから」といった程度の理由で条件を絞り込むのは安直で危険です。

一つのエリアを取るにしても、商いを行なう場合には、通勤やお出かけで利用する場合と異なる視点で見ていかなければなりません。店舗オープン後の集客を図るためには、エリアの「商圏」を知っておくことがカギを握っているのです。

今回は、物件探しを始める前に押さえておくべき「商圏とは何か?」「商圏分析はどのように行うのか?」についてご紹介していきます。

「商圏」とは

まずはじめに「商圏」とは何か。一般的には「日常的に消費者を集客できる範囲」を指しており、「店舗への来店を見込める顧客が住んでいる範囲や移動する範囲」という意味も含みます。
この「商圏」を把握することは、エリアマーケティングにおいて非常に重要なポイントであり、店舗ビジネスの基本、且つ、成否に大きな影響をもたらすものです。

無論、居住・滞在人口が多いエリアやアクセスのしやすい駅には、消費者が集中し、店舗へ来店する可能性は高くあります。
しかし、実際に店舗への集客を見込むためには、エリアや駅を大枠で見るのではなく、店舗が位置する細部に焦点を当てて商圏を正確に捉える必要があります。

また、すべての店舗において商圏の範囲が同じという訳ではありません
例として、百貨店や大型ショッピングモールであれば、複数の店舗が集約されているので利用者の目的も多岐に渡り商圏も広範囲に及びますが、小さな個人店については目的が絞られているので商圏の範囲としても狭くなることが考えられます。
そこで、重要課題となるのが、場所の特性に応じた戦略を打つ「エリアマーケティング」であり、その根幹を担う「商圏分析」がカギということになります。

商圏分析の目的

出店にあたって商圏分析を行う目的としては大きく分けて3つ。

1.売上予測
どれくらいの集客が可能で、どのくらいの売上を見込めるのか予測を立てる
2.顧客分布の可視化
どの方面からの集客に強く、逆どの方面に弱いのか、顧客の動向を見える化する
3.販売促進エリアの特定
顧客分布ををもとに、どの範囲にどのくらいの宣伝・広告をすべきか最適な販促計画を立てる

総じて商圏分析を行う大きな理由は、”出店する店舗がその地域とどのように関わり、どうあるべきか”を確かめる為です。
例えば、居酒屋での勤務経験を活かし立ち飲み屋を出店したいと希望している方が、オフィスに近い店舗を選んだとしても周辺地域がファミリーの多い立地であれば、消費者のニーズを満たせずに集客困難、売上不振になることは間違いありません。
ご自身の経験を活かすのであれば、お店のコンセプトに合わせてサラリーマンや若者の多い場所を選択する必要がありますし、出店場所にこだわりがあるのであれば営業スタイルを検討する必要があります。
その選択を間違えない為に商圏分析は大切な作業です。イメージだけでは知り得なかったその土地の特性を知ることで、出店場所に検討していた範囲を広げたり削ったりと、店舗と地域の不一致を防ぎ最適な取捨選択を行うことが可能となります。

商圏分析の方法と手順

商圏分析の方法としては、【データ分析】と【フィールドワーク】の2つに分けられます。

【データ分析】

デジタルツールを利用して国勢調査データを集計することで、人口や世帯数、年齢、性別などを把握し、エリア特性や市場規模をみていきます
これらの統計値から、ご自身がターゲットとする顧客の属性に合致しているかどうかを判断することが可能となります。

【フィールドワーク】

実際に現地へと足を運び、周辺状況や消費者の動向などをチェックします。
具体的には、以下4つの項目についてみていきます。

(1)消費動向やライフスタイル
滞在人口の多い時間帯や休日の過ごし方、移動手段はどうするのか etc.
(2)地域の商習慣
よく利用されているスーパーやコンビニはどんな特徴があるか etc.
(3)競合のマーケットシェアと提供サービス:
競合となる店舗はどのくらいあるのか、近隣の人気店ではどんなメニューをウリにしているのか etc.
(4)商圏バリア
消費者の動線を阻む商業施設や幹線道路、河川などはあるのか etc.

フィールドワークの手順

現地調査を行なう場合には、平日および休日(土・日・祝日)の曜日別、朝・昼・夕・夜の時間帯別にわけて同じ場所に出向き、「動点観察」と「定点観察」の両方を実施します。

「動点観察」では、道行く人のペースに合わせてご自身も歩き、店舗付近をどれくらいの速さでどのように通り過ぎるのかを体感。大通りに面している場所であればバスや車で通行してみるのも有効です。
一方の「定点観測」では、決まった場所に立ち、人の流れる方向や向かっている目的地を観察しながら、道行く人の動向パターンを探ります。

そして、競合分析においては、近隣にある飲食店の出店業態や人気店舗の集客状況を表面的に見るのでなく、実際にお店に入店して内装やレイアウト、メニュー、接客サービス、会計方法といった細部まで確認し、「他店との差別化をどこで図れるか」を考えていきます。業種・業態は異なるものの、消費者の目的が同じであれば競合となる可能性がありますので、自店に類似する飲食店だけでなく、その他の施設や店舗についてもチェックしておきましょう。

無料で使える商圏分析ツールのご紹介

地理情報システム「jSTAT MAP」

【jSTAT MAP】は、総務省が公開している地理情報システムで、誰でも利用することができます。
 ツール機能としては、国勢調査の数値を出力して統計地図が作成できる他、利用者のニーズに沿った地域分析や市場分析も可能。各種詳細な計画立案に資する基本的な分析が実行できます。

地域経済分析システム「RESAS」

【RESAS(リーサス)】は、地方創生の様々な取り組みを情報面から支援する為に、経済産業省と内閣官房が提供しているシステムで、ビッグデータの集約や人流の可視化など、効果的な施策の立案・実行・検証などに広く活用されています。

ロケスマ

【ロケスマ】は、全国各地のチェーン店を検索できるサービスで、飲食店やショッピング施設、各種サービスのチェーン店の位置を地図上で見ることができます。
無料ダウンロードでアプリでの利用も可能。エリア別にチェーン店の出店状況や分布が容易に把握でき、競合分析に役立てることができます。

関連記事

【現地調査(商圏分析)】に関しては、
こちらの記事もぜひご参照ください。


Written by 飲食店の居抜き物件なら!居抜き店舗ABC
物件のご紹介はもちろん開業までをサポートいたします!


簡単30秒で会員登録完了!

飲食店、物販、テイクアウトなどの店舗物件をご紹介します!

Copyright © 居抜き店舗ABC, All Rights Reserved.